Life/小さなコラム:それでも、私のそばにあるもの

Microsoft Officeの迷惑バナー【プランをアップグレード】って言われているけれど。

最近、Officeの画面にふっと現れる「プランをアップグレード」というバナーが話題になっている。
消せない。設定にもない。必要としていないのに、そこに居座り続ける。
まるで、郵便受けに勝手に投函されるDMが、風で飛ばずにずっと貼りついているような存在感だ。
害はない。 押し売りでもない。 ただ、目ざわりだ。
それでも私は、これを「不快な侵入」とは思わないようにしている。 ずっと365を使用しつつも、その必要性がなくなった現在、今、私が使っているのは買い切り版の Office 2024 。 その静かな世界は、誰にも脅かされていないからだ。
Microsoftは時代の流れに合わせてクラウドやAIを推し進めている。 それは企業として自然なことだし、世界の大きな潮流でもある。 けれど、そんな中でも買い切り版を出し続けてくれているという事実は、 長く使い続けてきた人への、ひそやかな優しさだと思う。
私は、Windowsが日本に上陸した頃からずっと、 公私ともにMicrosoft製品と青春を共にしてきた感がある。 Wordの白い画面に向かって文章を書き、 Excelのセルを埋めながら仕事を覚え、 PowerPointで初めて人前に立つ勇気をもらった。その積み重ねは、ただのソフトウェアとの関係ではなく、 人生の一部になっていた。

だから、画面の端に居座るバナーを見ても、 「帰らない客だな」と苦笑しつつ、 それでも私はこの相棒を手放す気にはならない。
必要なものはすでに手元にある。 Office 365も2024も、静かに、誠実に、私の作業を支えてくれる。 バナーはただ、隣の世界の話をしているだけだ。
時代がどう変わっても、 私の机上には、変わらずこの相棒がいる。 それだけで十分だと思える。



